ピンサロの中心で射精を考える ~射精を〝がんばる〟問題とは~

-PR-
-PR-

ピンサロの歴史はまあまあ古い

 前回は光月夜也について語った(リターン・ザ・光月夜也 ~お客を魅了したフェラがAVで炸裂!~)。

彼女は元風俗嬢で、ピンサロ嬢からAV嬢に転身したのだが、今回はピンサロについて語ってみたい。

 そもそもピンサロとは何ぞやというと、女性がおもに口を使って男性にサービスしてくれる風俗のひとつ。サービスは一般的には、挨拶→フェラ&ときに手コキ→射精→終了という流れになっている。

ピンサロ嬢のみなさん

 歴史を少し調べてみたところ、1963年ごろから都内の各所繁華街でオープンされた「ピンクキャバレー」なるものが起源となっているようだ。キャバレーなので基本はお酒の提供。エッチなサービスはないが、そのうちピンクサービスを提供する「サロン」が登場したとのこと。

 「ピンクサービスをするサロン」が「ピンサロ」という名称になったと思われる。

 また、日本の性産業の歴史にくわしい「フーゾクの現代史」(生駒明・著 清談社)によると、東京都五反田のピンサロで「花びら回転」が開発されたらしい。

 当時の「花びら回転」は、現在おこなわれている「花びら回転」とは別のサービスで、ノーパンの女の子たちが客の頭にスカートをかぶせて、その顔に自身の〝花びら〟を押し付ける内容だったという。

ピンサロの店内

 一方、女の子が入れ替わりチンポをおしゃぶりしてくれる、いわゆる「花びら回転」は1971年に神奈川県川崎で生まれたとのことだ。

 それはさておきピンサロの魅力は、リーズナブルな価格と、お値段以上の濃厚なサービスではないかと思っている。また、光月夜也のルックスに匹敵するピンサロ嬢が在籍していることもあるため、在籍嬢たちのルックスの良さを魅力に加えてもいいかもしれない。

 あとは、射精にいたるまでのお手軽さだろう。ファッションヘルスやデリヘルのように、シャワーを浴びる必要がなくズボンとパンツを脱げばいいだけ。

 さらにいうと、女性を責める必要もない。責め好きな人は物足りないかもしれないが、女性の乳首やマンコを舐めながら相手が気持ちいいと感じているかどうか、反応をうかがう心配もなく、受身に徹することが可能なのも魅力のひとつかもしれない。

 衛生面が気になる人も少なくないと思うが、手間と時間をかけずに射精したい人にとっては最善の選択肢ではないだろうか。

店内のBGMはノリノリが主流!?

 さて、ピンサロの魅力について、もっと突っ込んで語っていきたいと思うが、プレイの内容的なことを詳細に書いたとしても、ちまたに氾濫する風俗体験ルポなるものと同じになってしまう。

 そのため、ここではいわゆる「ハッスルタイム」とBGMについて書いていきたい。五反田ではじまった「花びら回転」は、ピンサロ嬢たちが入れ替わりで客の顔にマンコを押し付けるサービスだったことは前述した。

 そしてこの時間帯は「ハッスルタイム」と呼ばれていたようだ。その後「花びら回転」の意味が、ピンサロ嬢たちが入れ替わりでチンポをしゃぶるサービスに転じたときにも、「ハッスルタイム」の呼称は残り、現在でもピンサロやおっパブなどで使われている。

 ちなみにピンサロの一般的なサービスは、最初に付いたピンサロ嬢がしばらくおしゃぶりをした後でハッスルタイムとなり、最後は、最初に付いたピンサロ嬢がまた現れ、その口内でフィニッシュ、つまり射精という流れだ。

 もしもお目当てのピンサロ嬢がいて指名した場合、最初と最後に指名したピンサロ嬢が付いてくれることになる。

 つまりハッスルタイムで、ボッキが盤石なものとなり、射精に向けての準備を整えていく。同時に気持ちを盛り上げ、最後のピンサロ嬢で射精ということになる。

 マラソンでたとえるなら、ハッスルタイムは30キロ過ぎ段階で、最後の嬢の射精サービスは、いよいよトラックに入ってきてゴール間近という感じだろうか。

 ところで、記事の前に載せた男女の快感度のグラフを見て欲しい。男性よりも女性の快感度が相対的に高いのはともかく、注目して欲しいのは男性のグラフの変化だ。最初はゆっくりと上昇していき、ある時点で急激に上昇し一気に射精へ。そして射精のあとは快感度があっという間に低下している。

 こんなグラフで示されなくても、快感度がどうなっているか男性ならば経験的にわかっているだろう。何がいいたいのかというと、男性の快感は一気に訪れて、射精後また一気に萎んでいくということだ。

 きちんとしたデータがあるわけではないが、ピンサロの店内はおおむね騒がしい音楽やノリの良いアップテンポの音楽がBGMに使われていることが多い気がする。クラシックに代表される静かな音楽は店内で聴いたことがない。

 ノリの良い音楽は気持ちを高揚させる。一方、同じ店舗型風俗のファッションヘルスやイメクラは、ノリノリな音楽ではなく落ち着いたテンポのBGMが流れている場合が少なくないように思う。

 これは何を意味するのか。ピンサロの源流がピンクキャバレーだったことを思うと、BGMもその名残なのかもしれないが、そのことよりも、ピンサロでは店内に入った時点から客にテンションを上げさせる、ひいては快感度をアップさせる仕様になっているということではないだろうか。

 実のところ私は、口でしゃぶられて射精するのは男性側にかなり経験が必要だと思っている。フェラのテクニックは女性によってバラバラなことが少なくないからだ。

 その一方で、膣内はというと、当たり前だが射精を誘発する一定レベルの技量が備わっており、フェラのように女性各自によるふり幅が大きくない。そんなふうに〝難しい〟口内発射を、ノリノリなBGMが補完してくれていると思うのは突拍子もない見方だろうか。

しゃぶられているときに何を思う

 ここでは、しゃぶられているときに何を思うかという、あまり触れられない問題について書いていきたい。とはいえ、このことは私は切実な問題だと思っている。それを説明する前に、まずオナニーについて考えてみたい。

 オトコのオナニーはオカズなるものが存在する。かつては雑誌やアダルトビデオだったし、現在はネット動画なのだろう。いずれにしても、視覚的に刺激されることで興奮して射精へと導かれるという展開だ。

 ビジュアル的なアイテムを何も見ずにオナニーする人もいるだろうが、その場合は、かつて経験したエロ体験を思い出しながらの場合が多く、脳内でビジュアルを再現しているという点で、何も見ないというわけではないだろう。いわゆる〝思い出しオナニー〟だ。

 つまり、オカズを何も用意せず、自分自身の手のテクニックだけで射精まで導くという、テクニック至上主義の猛者はほぼいないのではないだろうか。

 オトコの場合は、エロアイテムを見たときや、エロ体験を思い出したときに射精したくなるスイッチが入る場合が多く、その流れでオナニーするとすれば、興奮を喚起されたアイテムをいちど忘れ去り、手の動きだけで射精まで導くというのはあまりにも不自然だ。

 しかし、ピンサロでは、チンポをしゃぶられている最中ずっと、その不自然さが持続することになる。しゃぶられている最中に、エロ雑誌を見たり、スマホを取り出してエロ動画を見たりすることは禁じられているわけではないが、実行するとなると、相手に対し〝失礼〟という気持ちになるだろう。

 口のテクニックだけでは不満だと表明しているようなものだからだ。かくして、男たちは脳内でいろいろなエロシチュエーションを妄想することになる。

男女の快感度の違い

 咥えられている〝現場〟を見ればいいじゃないかという意見もあろう。しかし、店内は暗くてよく見えないうえに、かろうじて見えたとしても、劇的な光景が展開されているわけではないし、変化に富んでいるわけでもない。同じ光景をずっと見続けることになる。

 シックスナインがOKなピンサロなら、マンコを見ながら射精できるということで話はまた別になるが、ヘルス的なサービスをやっているところはそんなに多くない。

 女性のフェラで射精するのはある程度の訓練が必要だということは前述したが、私などは、かつて経験したエロ体験や、以前に見たネット動画の、いちばんエロいところを思い出しながら、強引に射精することもしばしばだ。

 たとえば自宅でエロ動画を見てオナニーしたくなったときに、女性にしゃぶってもらうという展開がいちばん興奮する。オカズがメインで、フェラはサブ。そんな射精が実現できたら最高だろうと思っている。

射精よりも気持ち良いことがある!?

「いんらんパフォーマンス特別版・密教昇天の極意」(アテナ映像)のパッケージ写真

 繰り返しになるが、フェラで射精するにはけっこうな経験が必要というのが私の自論だ。ゆえに、ピンサロに行った私は、〝がんばって〟射精するようにしている。もしもがんばらなければ、射精したくなるときが来るまでとても時間がかり、既定の時間内に射精できないかもしれない。

 しかし、時間的な制約がなく、あえて射精しようとがんばらない場合は、いずれおとずれる射精感を待つのが正しいやり方だと思っている。

 そんな射精を実現してみたいものだが、ここではもうすこし話を広げて、射精感があるのに射精を止められている状態について書いてみたい。

 AVファンでなくても名前が思い浮かぶAV男優といえば、まっさきに加藤鷹があげられるだろう。ゴールフィンガーと呼ばれて、数多くのAV女優たちを潮吹きさせてきたことでも有名だ。

 もっとも有名なAV男優のひとりである加藤鷹だからこそ、各種メディアでのインタビューや、また自身の著書のなかで、経験した撮影現場についての興味深い話を目にするAVファンも多いのではないだろうか。

 印象に残っている出演作として彼がかならずあげているのが、代々木忠監督作品。具体的には「いんらんパフォーマンス特別版・密教昇天の極意」(アテナ映像)だ。

いんらんパフォーマンス 特別版 密教昇天の極意(アテナ映像)

 射精しそうになったら止められ、射精しそうになったら止められる。つまり寸止め、寸止めを繰り返された結果、最後はいわゆる〝男の潮吹き〟なるものを経験したという。

 ところで、代々木忠は「サイコ催眠エクスタシー」で、「人間はエゴを落としたとき、社会によって植え付けられてきたさまざまな意識から解き放たれ、性を自由に享受することができる、淫乱になれる、オーガズムを得ることができる」(「アダルトビデオ10年史」東京三世社)というテーマを掲げて実践してきた。

 「いんらんパフォーマンス」シリーズも同じで、アクメとか潮吹きとか、現在のAVで当たり前のように見られる表面的なプレイを目的とした作品ではなく、ざまざまな束縛から解き放たれたときにはじめて人間は真の快感を得ることができるというスタンスは変わっていない。

 女でそれが可能なら男にもあてはまるとしたのが、「いんらんパフォーマンス特別版・密教昇天の極意」のテーマのひとつでもあった。

 一般的に、男にとって射精がもっとも大きな快楽として認知されているが、射精ではなく別次元の快楽を引き出すことに成功している。そしてそれは射精以上のものだとも。

 人よりもオナニー経験が比較的多いと自負している私だが、射精以上の快感といわれても想像がつかないと同時に、ピンサロで射精しようとがんばっていたのはいったい何だったのかと思ってしまう。

 以上、ピンサロの魅力を語るつもりが、自分でも思わぬ方向に行ってしまった。思わぬ方向にいってしまったが、これはこれで満足した感じもある。

 射精を目的としていたが、思わぬ方向に進み、結果的により強い快感が実現されるのも、こんな感覚なのだろうかと想像しつつ、今回はこれで終わりたい。

※参考文献 

created by Rinker
¥1,980 (2025/05/12 00:57:47時点 楽天市場調べ-詳細)

      「アダルトビデオ10年史」(東京三世社)

タイトルとURLをコピーしました